くだんの会見以降はじめて、事務所にお金を使った

要約すると掲題になる話なんだけど、この瞬間の私の気持ちは140文字じゃなくて残しておきたいなと思ったので、めっちゃ久々にノーパソを叩いています。

 

ちなみに私は

・「これからも変わらず事務所を全力応援!」みたいな姿勢ではない

・タレントたち本人については応援したいし、なんらかのケアを受けていて欲しい。てかタレントの頑張りによって事務所がなにかを挽回できるわけではないだろ……

・ただ、事務所の対応を批判する人たちの一部に、ゴシップとして消費する野次馬根性、「女オタク」や「女子どもに消費されてるタレント」を叩きたいというミソジニー、こんな会社が芸能界の中心にいた日本/アジアってヤバい!的なオリエンタリズム、を感じていて、これらに関しては明確に嫌悪感を抱いてます。

お読みいただくにあたってはご認識のほど、よろしくね!(免責事項)

 

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タレントが矢面に立たされることだけは止めてほしいなと祈るような気持ちでチャンネルを合わせたら、事前の報道通り、思いっきしタレント2人が出てきたので、マジか~~~~~と思った。報告書の内容について認めて謝罪し、だが株主は変わらず・社名も変わらず、ということまではとりあえず把握して、なんつうか、大丈夫か!?っていう感じの新社長の答弁とか、あまりにもゴシップ的な記者の質問とか、を、ぼーっとする頭で聞いていた。

フォロイーさんのポストに報告書についての話があったので、ひとまず読んでおくか、と思って、事務所のホームページに載っていた公表版に目を通した。かなり具体的な記述が多くてショッキングで、ああこれは、もうこの社名、そのオタクであることを名乗り続けるのは厳しいな……と思った。

なずな on X: "やっぱさ、もう純粋に「ジャニオタです✊」みたいに言えないわけで、「ジャニーズ」って口にするたびに若干いろんなことがよぎるのは逃れられない、そうやって考えるとやっぱり社名はどうしても変えてくれた方がファンとしても助かるんだけどな……という気持ちではある" / X

 

 

会見後にいろんな企業がCM契約を切るという話が流れてきて*1、いわゆる「世間」の潮目が一気に変わってきたな~と思いながら、いま考えることじゃないのかもしれないけど、いち消費者として、いちファンとして、会見後に最初に発売されるのが自担グループのシングルで、その動向で売れても売れなくても絶ッッッッ対なんか書かれるんだろうなーということ、そして何より、タレントとグループと楽曲自体はすごく好きだけど、その売上はこの事務所に入るわけで、たぶんクレジットに社名もそのまま載っていて、それに対してお金を出すのは自分の倫理観とあんまりマッチしないなーということ、などが積み重なって、すご~~く憂鬱な気持ちになった。

 

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ちょくちょくオタク議論の俎上にのぼるけど、センター可変式のグループ(嵐です)のオタクとして育った身としては、「自担がセンターの曲」≒自担仕事のタイアップ曲、は、やっぱり特別に感じてしまう。だからといって「前回の○○くんタイアップより今回のCDが売れてないのは△△くんと△△担の責任」みたいな飛躍した論は全くお門違いだと思うけど。これほんとに言う人いるよね!?!?(いろいろ根に持ってるよ!!)

 

デビュー後初めての自担仕事タイアップ曲もすごーく良い曲だったんだけど、タイミング的なものなのか、1stアルバムに収録されてシングルカットはされていなかった。だから今回、初めての自担ドラマタイアップ、自担センター曲、であるところのMake Up Day、主語デカで申し訳ないけど、大西担はみんなすごい(なんならデビュー前から)楽しみにしてたし、私もその一人だったんだよ!!!!!!

 

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CD屋さんに予約していたCDを引き取りに行った。行きしな、CDショップの中、心のどこかがずっとビクビクしていて、後ろめたいことをしているような気持ちになった。並んでいる時、隣のお姉さんがビファのトートバックを使っていて、いや別に向こうも私のことなんか気にしてないだろうけど、なんかホント、すみません、って感情を抱いてたほうが良いのかな…って思った。会計してもらって、ああ事務所にお金払っちゃったな~と思って、CDとクリアファイルが入ったタワレコの袋をそのまま持ち歩くのもなんかなと思って、リュックの中にしまった。

看板でちびぬいと写真を撮っていたりする、おそらく同じCDを買いに来ている人が結構いて、それ自体は少し罪悪感を薄めるような気持ちになったけれど、この子たちも葛藤しながら買いに来ていたりするんだろうか、それともツイッターのおすすめ欄でたまに出てくるあんまり相容れない主張をするタイプのオタクかもしれない、みたいなことをモヤモヤ考えてしまった。目の前の彼女たちが別にどういうスタンスであっても私には何しようもないんだけど。

 

会見のはるかはるか前から、オタクなんて一枚岩じゃないのは当たり前だったけれど、私はオタク同士の連帯が好きだったんだな~と思った。SNS上で出会った趣味が共通の友人とオンラインで交流すること、そして現場の前後とかに実際に会っておしゃべりすること。フォロー・フォロワーの関係になくてもRTで流れてきて面白いな~っていうツイート。家の最寄り駅から電車に乗ったら同じツアバを持っている人がいて、目が合ったときの会釈。現場から駅に向かうタクシー待ちの列で隣になったお姉さんたちの話がつい漏れ聞こえ、つい参加してしまって、ここが良かったですよね!って盛り上がること。オンラインでも・リアルでも、時に強く・時にゆるく感じた、ファンダムの連帯感。それらがいま、ああなんかちょっとこの件に関して、考え方が違うっぽいな……、いや厳密には違う分には全然いいんだけど、ちょっとその考え方は私の倫理観とは相容れないな…、っていうのがツラい。被害者とかタレントと比べて、とかいう話ではなく、私は私として、相対的にじゃなくて絶対的な感覚として、ツラい!!!!!

 

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フラゲだから内容を事細かに話すことはしないけど、ホントにいい曲だった。タイアップドラマもまだ途中だけど、社会の旧態依然としたところを変えていこうっていう意識を感じて、好きなタイプのドラマだ。問題提起のニュアンスが割と強いので、それ自体が原因に直接届くか?という疑問はあるんだけど、変革の布石としてすごく意味のあるドラマじゃないかなと思っている。ちなみに「問題提起ニュアンスが強くて元凶に届かないんじゃないか問題」は『問題のあるレストラン』を彷彿とさせるんだけど、あのドラマがあってこその『逃げ恥』ブームだと思っているから……(唐突なドラマクラブ)

 

今回のドラマや主題歌に限らず、彼らの提示する価値観に共鳴してオタクをやってきた側面も大きい。それは「僕空」にも「初心LOVE」にも感じて、ブログに残しておいたりした(いま平常心でそれをすることはできないから、思い立った時にやっておいてよかったし、もっとやっておけばよかったな~)。さっき『BTSジェンダー不平等や欧米のアジアンヘイト、韓国国内における若年層が抱える問題について積極的に取り組んできて……』っていうポストが流れてきて、詳細もちょっと読んだりしたけど、読めば読むほど、なんか、なにわが、セクゾが、提示していた価値観のスタンスはそういうポリティカルに正しくあろうとする姿勢と、近からずとも遠からずだったんじゃないかと思うんだけどな……でも事務所がそもそも性被害の温床だった時期が長くて、それを全然対応してこなかった訳で……と、暗澹たる気持ちになってしまい、途中でギブアップした。自己肯定感に基づく他者の肯定、可愛いっていうことは「かっこいい」へのステップではなくてそのまま誇っていい、国境を越えての友情、メイクは性別問わず別にしてもしなくても良くて「男らしさ/女らしさ」から自由になろう、っていうのがめっちゃ好きだったし今も好きで、それらと事務所のあれこれは、直接は関係ないけど、彼らが活動してきたベースには、どうしても故人のオーディションなどの活動と、故人の名前を冠した事務所があって、ずーーーん……。

 

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当事者の会が過去こんなことをしてました、とあげつらう気にはならない。過去こう言っていたのに、ということに関しては、あれが被害だったのかと途中で気づくこともあるだろうし。Aについて当時オタクから見えたことと違う事実と異なることを言っているから、Bについても嘘だ、ともならないだろう。第三者委員会が報告書を作って、その内容を事務所が認めた、ということ、それ以上でも以下でもない。

 

で、じゃあ、だからといって、知り合いから「ジャニオタだったよね?誰々も"やられちゃって"るんじゃないの?」みたいなクソみたいな連絡が来たり、日頃から「アイドルにキャッキャ言う女ども」とか「女子どもにキャッキャ言われてやがるジャニタレ」が気に入らなかった層が乗っかってミソジニー満載で叩いているのも本当~~に腹が立つし、一部の海外勢がAsian weird culture……みたいな感じでオリエンタリズムマシマシで取り上げているのも本質からズレていると思う。もう何見ても心がチクチクするから何も見たくない!と思うけど、見たくない!ってやってきたことが今までの結果なのでは?って言われると、まあじゃあ、どうしたらいいんだろうか。

 

オタクはどうすれば良かったの??噂は聞いたことあった。ジャ…さんのおうちに泊めてもらいました、というタレントの話を、エッと思ったこともあった。でももうそんなことテレビで言うくらいだしさすがに何もないんだと思っていた。それはオタクとしてもっと疑問に思うべきだったの?オタクごとグルーミングされていたと言えばそうかもしれないけど、東京ドームでの葬式まで行っといて故人の写真の載ったポストカードをもらい、葬式に参列するタレントの集合写真をズームして見ながら、誰々くんは制服だね!この辺は○○のグループが固まってるね!ってキャッキャしといて、私には責任がなかったのだろうか?

 

で、ここにきてそれらの詳細はこうでした、事実でした、と事務所も認定した。それに対して、私は今発表されている体制にしただけでは、対応が十分でないと思っている。でも同時に、何年単位で、実現しうるかわからなかったけど、すごーーーく楽しみにしていたことが実現した。で、いざそれをしようとすると、自分の倫理観上どうなん?と思うことも同時にしてしまうことになった。どうしたらよかったのかな。わかんない。

そして来週は来週で、こちらも、何年単位で、実現しうるかわからなかったけど、すごーく楽しみにしていた、椎名林檎提供曲(曲、最高)というシングルが待ち受けている。うーーん。

 

いい曲なんだよ。

ここにYouTubeを貼ることは、どうなんか?良くないのか?どうなんだろうと迷って、貼る。


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*1:これについて「手のひら返し」みたいに言われていることも多いけど、あくまで「あの報告書とあの会見の結果」ということだ、ということが、アサヒの社長の話はわかりやすかった。で、これ私プレゼント機能で読んだけど、こういうときに有料記事のハードルって、高いよね

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