僕空、あるいは分断と宇宙について

なにわ男子、デビュー決定、おめでとうございます!!!!!!!

 

追っていたジュニアの子がデビューするのは初めての経験なのですが、とってもとっても嬉しいものなんですね。オタ友達はもちろん、学生時代の友人や親戚や前の職場の人からも「なにわの名前を聞いて思い出したよ!!おめでとう!!」とLINEがたくさん来て、デビューする本人でもないのにたくさん祝ってもらいました。スーパーオープンオタクだったのはあるけれど、彼女たちの中で、なにわちゃんの名前が私の存在によって少し身近になっていたのだとするなら、それも嬉しいな〜。


そして会見を見ました。

これまで私は今回のツアーの衣装ネタバレを踏んでいなかったのですが、ちっ!!!地球柄やんけ…!!!!!!!

内容はもちろんなんですけど、衣装の柄でめちゃくちゃジーンと来てしまったのです。というのも、私は常日頃から、なにわ男子の、そして『僕空』の、「世界と地球と宇宙に対する姿勢」が好きだなあ、と思っていたから。

 

※昨日友人がリツイートしていて、読んだらとっても面白かった、ジャニーズにおける地球をめぐるブログ


大昔、受験のとき、頻出キーワードとして「グローバリゼーション」という単語を覚えさせられたことをたまに思い出します。今の世の中はわざわざそんな言葉を使わなくていいくらい、世界とすぐにつながることができるようになって。違う国のドラマにハマったり、気に入った服を海外のサイトから直接買ったりすることは特段珍しいことではなくなりました。もちろん国によって、いろんな制約や規制はありますが。

 

それは同時に、競合が全世界に増えることも意味しているし、エンタメ業界もその渦中にあります。このご時世にアイドルを売り出すときに、「世界」を意識しない会社はいないと思うし。

肌感覚でも、初対面の美容師さんとかと話す時に一昔前は「男性アイドルが好きで〜」と言われればマジで8割くらいがジャニオタだったと思うんですけど、最近はケーポペン・ジャニオタ・アイドル活動もしてるワカハイオタ・などなど、必ずしもジャニオタじゃない率が上がってきてるなぁと感じます。

 

そんな状況下、「何が好きか」ということで分断が起き、同じものが好きなファン同士で団結しようとする動きが出るのは自然な流れだと思います。ただでさえ「見えやすい数字」が溢れる世の中。別のグループと比べて、売上が、再生数が、リクエストが…、だから〇〇のオタクで一致団結して盛り上げましょう!というムーブメントはもはや当たり前のこととなってます。


そういうセグメント分け…別グループ担との分断と同グループ担との団結は事実存在するし、きっとすごく効果もあるだろうし、私もなんやかんやいろいろ回したり応募したりするし、批判するつもりはありませんが、だからといって「全て」ではないことを忘れないようにしたいなと思ってきました。好きな対象が違っても、「どう好きか」が近いが故に、意気投合するオタク友達もいる…そんな可能性を、忘れないように。

 

閑話休題

 

なにわ男子のリーダー・大橋和也さんは、コンサートなどでファンに対して呼びかける時「全国、全世界、全宇宙のなにふぁむの皆さ〜ん!!」というフレーズをよく使っていた覚えがあります。だいたいコロナ前の現場では、「全宇宙」のあたりで客席からフフフという温かい笑い声がちょっと上がっていたような。そう、初めて聞いた時、私は「とっかかりの強いパワーワードを思いついたんだなあ、さすが!」くらいにしか考えていませんでした。


ただ、一回ではなく、彼は繰り返し繰り返し、このフレーズを使っていました。真意は彼自身しかわからないので、勝手に妄想するのもファンの横暴だとは思いますが、私は何度も聞いているうちに、「これは、もしかして何か意図があってのことなのではないか?」と思うようになりました。

 


ちょうどなにわ男子がいま大きく関わっている、高校野球のことを思い浮かべたとき。もちろん全員ではないと思うけれど、「出身地や地元の都道府県代表をなんとなく応援する」人は多いんじゃないかな?と思います。日頃からライバル扱いされている都道府県の相手と当たる時とか。


そして今度は、オリンピックのような世界大会を思い浮かべたとき。これも全員がそうであるという乱暴なことは言いませんが、生まれ育った国やルーツのある国の代表選手を応援する人が比較的多いということは、ここ数日の日本メディアの日本選手のメダル報道を見ていても自明の通りです。

 

その時に、先程の「都道府県レベルの地元意識」はそこまで働いていないように思うのです。例えば日本出身の人が、出身国を理由に日本代表選手を応援する時、「私は関東の出身だけど、この選手は関西出身やんけ。応援するのヤメピ」とはならないよな?…と。くくることの是非は別として、くくりを一段階大きなものにすると、より狭いくくりの仲間意識はちょっと薄くなる……これは事実なんじゃないかと思うんですよね。


県大会を前にすると、市区町村で仲間意識がうまれる。全国大会を前にすると、都道府県で。そして国際的な競技を前にすると、国で……では、舞台を「宇宙」に移したら??

 


大橋和也さんが「全宇宙のなにふぁむ」に呼びかけている時、私の頭の中にはいつも、銀河系にぽっかり浮かぶ地球のすがたがあります。〇〇県出身の私でもなく、〇〇国出身の私でもなく、地球出身のなにふぁむの、私。

視座を一つ上に上げて、宇宙を前にした「地球ナショナリズム」を感じるとき、国境は薄れ、そこには地球に住む人間同士の仲間意識、連帯が生まれている……のではないでしょうか。


これが彼の意図と一致しているかどうかはわかりませんし、乱暴な妄想だということは自覚しています。が、この言葉が出てくる背景には、グループ自身に「違う国出身のアイドルのファンである」メンバーがいる、ということもあるんじゃないかなぁ…。あと個人的には、高橋恭平さんが「かっこいいと思う人」として他事務所の吉沢亮さんの名前を挙げ続けるのも大好きです。


このメッセージ性は、例えばBTSの国連総会での「自分自身のことを話そう」のスピーチにも少し通じるものがあるのではないかと思ったり。

 


そんな大橋和也さんがセンターで歌う『僕空〜足跡のない未来〜』は、わたしが一番なにわ男子の中で好きな曲です。

 

GO!GO!超えていこう

No No ボーダーライン

国境も国籍も関係ない

君が歌えば僕がハモるよ

友情はメロディ


教科書ソングじゃん!理想論じゃん!と言われたら、まあそうなのかもしれません。でも、理想を王道若手アイドルが歌うことの素敵さと無敵さって、あるじゃないですか。

 

GO!GO!飛びたて

To The Universe

規格外の明日へ

何十億 輝いている笑顔が

この地球を回す


やはり「飛びたて To The Universe(=宇宙、銀河系)」として地球単位で物事を見ています。「世界に向けて飛びたて」ではなくて、「宇宙に向けて飛びたて」。ここでも「全宇宙のなにふぁむ」という視座の上げっぷりは健在です。やっぱり関係者誰かしらが意識的なんじゃないかなぁ。


そして、僕空のさらに好きなところはここからで。そんな王道サビの間の、Aメロ、Bメロの歌詞です。

 

空は一つ 色は違うけど

違うから知りたくなる

どんな"青い空"?


僕らはみんな地球市民だからといって、世界中が均一なわけではありません。でも、違うものと戦って、どちらが正しいかを決める必要はなくって。君のこと、教えてよ。

 

これまでに君が見てきたもの教えてよ

僕の常識が覆る音聞きたい


く〜〜〜!!サイコーフレーズ、「僕の常識が覆る音聞きたい」!!!!

そう、自分の今まで持っていた常識が覆されることを肯定的に捉えられるような、そんな人間でいたい……。たしかにこのフレーズは、フレッシュな彼らだから歌える、のかもしれません。でも、いつになっても、いくつになっても、「僕の常識が覆る音聞きたい」と言えるような人でいたいなぁ。

 


なんかもうここまで書き散らかしてきたことをまとめると、

・僕らは同じ地球に住む仲間…という意識を持つこと と、

・自分をこれまでつくりあげてきた常識、文化、を愛すること と、

・それとは違う常識、文化の中で育ってきたありとあらゆる隣人を尊重すること

それらはぜーんぶ、両立できる!

ということを、『僕空』は教えてくれているように思うのです。

 


んー?一言でギュッとするなら??

長尾謙杜さん「原点は大阪、拠点は日本、視点は世界」

よいしょ〜!!

 


なにわちゃん、宇宙へと飛びたて!そしてこれからも一緒に、"終わらない世界へ行こう"!

 

 


デビュー、おめでとう❤️🧡💖💜💛💚💙

 

 

 

 

 

参考にした用語(ウェブリオとかウィキペディアを参考文献にするなって感じですが、慶事に免じて許してちょ)

地域主義とは - Weblio辞書

地球市民とは - Weblio辞書