関ジュ秘伝のタレソング『SUPER ROCKET』の歌詞について本気で考えてみた

こんばんは。最近の楽しみはジャガーズのラジオを聴きながら夕飯の準備をすること、コトコト弱火楽曲担のなずなです。

最近、レコーダーを圧迫する録画番組の棚卸しをしていたら「あらためてSUPER ROCKET、めちゃくちゃ良い曲では…?」と気が付いてしまいました。私のSTAY HOME月間が完全にSUPER ROCKET月間になってしまったので、なんの脈絡もありませんが、SUPER ROCKETについて語る会をここに開催したいと思います!!

 

 

☆SUPER ROCKETの概要

 

あらためて、情報を整理してみます。

『SUPER ROCKET』(通称スパロケ)は、関西ジャニーズJr.のオリジナル楽曲。

 

作詞はKOUDAI IWATSUBOさん、作曲はKevin Chargeさん*1/KOUDAI IWATSUBOさん(共作)。イワツボコーダイさんといえば、Jr担ならコズメロこと『Cosmic Melody』(美 少年)の作詞セクゾ担なら麒麟の子』の作曲、ジャニオタなら亀P『背中越しのチャンス』作詞作曲でお馴染みのヒットメーカー。ちなみに、スパロケと全く同じ、イワツボコーダイさんとKevin Chargeさんが共作した楽曲は他にキスマイ兄さんの『メガ☆ラブ』があります。最強クラスのキラキラなアイドルソング作らせたら最強クラスの作家陣だということが、終わったぜ証明、阿部亮平…。

 

初披露は2018年夏松竹のSHOW TIME、この時のメンバーは大西流星くん・高橋恭平くん・道枝駿佑くん・長尾謙杜くん・佐野晶哉くんの5人。同じメンバー(少クラは佐野くん以外の4人…)で、2018年秋〜冬にまいジャニSHOW TIMEや少クラ関ジュニ通信でも何度か歌っていた覚えがあります。

その後、2019あけおめコンでちび5(現Lilかんさい)が受け継ぎ、2020京セラあけおめコンに至るまで、いまはLilかんさいの持ち歌のようなポジションで歌われております。

 

と、くどくど長く語ってしまいましたが、百聞は一見に如かず、オリジナル版でもリトかん版でもいいので、ご覧になっていただきたい…と思ったのですが、円盤化されていなかった;;*2

(株)ジャニーズアイランドの偉い方におかれましては、何卒何卒、関ジュ京セラコンのリリースを…。

 

コズメロに通じる、可愛らしさの中にちょっと不思議な宇宙感のあるメロディー。一緒に踊りたくなるコミカルなサビのダンス。間奏でロケットを操縦する振り付けの、恭平くんとニシタクの踊り方の違いについて。そしてここに至るJrたちのストーリー…。

などなど、いろいろ語るところはあって、マジで世界中のスパロケ担とスパロケの話だけで一晩中飲めるんですが、今回はその中でも私がスパロケ担たる一番の理由、その素晴らしい歌詞について、好きなところを熱弁したいと思います。

 

☆SUPER ROCKETの歌詞が最高なんじゃ

 

まずは歌詞をご覧ください。

utaten.com

キュートでキラキラで一見ハッピーな曲なのに、歌詞の内容は「別れ」を歌っている!!というギャップこそが私がスパロケ担になった理由です。

下記、その「別れ」の内容について、歌詞から思い浮かぶ情景イメージをどうにか言葉にしながら、私の解釈を垂れ流していこうと思います。

 

 

 

 

SUPER ROCKETにキミを(キミを)

乗せて進む彼方

 

いきなりサビから始まるタイプの歌です。歌詞に「キミ」とあるので、おそらく「キミ」「ボク」の関係性を歌うことになるのかな〜ということを予感。そして「SUPER ROCKETキミを乗せて進む」ので、乗っているのは1人ではなく、おそらく何らかのロケットに「ボク」「キミ」が2人乗りしている状態なのかな〜という情景が浮かびます。

 

 

 

眠れない夜が化ける COUNT DOWN

数字が落ちる空

迷いが霧となり阻む"時"

(進んだ 幻の中)

 

いきなりファンタジー…というか、講談社YA!ENTERTAINMENTのシリーズ物*3みたいな世界観。

この辺めちゃくちゃ難解じゃないですか!?「数字が落ちる空」って何!?

絞り出した私の考えは後ほど述べますが、ここが一番各人の解釈が別れるところだと思うので、皆さんの「数字が落ちる空」論を聞きたいです…。

 

この箇所も浮かんだ情景を言葉にしてみると、歌詞の語り手「ボク」が、夜空を見上げているんでしょうか。その夜空からは「数字が落ち」(?)てきている。自分自身の心の迷いが、霧となって、「ボク」の行く手を阻んでいる。なにか手探りで、道無き道を進んでいくようなイメージ。

 

 

 

つま先立ちで見てるような

世界のパノラマに

キミ、ボク

目をふせず歩き出した

 

ここにきて「ボク」は一人で進んでいたのではなく、「キミ」とここまで一緒に歩んできたことが示されます

霧をどうにか抜けて、ある程度の高さの、開けた場所に出た「キミ」と「ボク」。自分たちがいた世界が小さくパノラマみたいに見えて、普通なら足がすくんで歩みを止めてしまいそうなところですが、この2人は目を伏せずに歩き出します。

 

 

 

 

 

(正反対の道へ)

 

正反対!?!?!?

 

 

ここがスパロケの胆心、どんでん返しの場所だと思っています。ここで初めて、この歌が「別れ」の歌だということがネタばらしされる。

ここまで霧の中を、かなり高みまで一緒に登ってきた「キミ」と「ボク」。この先も一緒に進むと思いきや、2人はここで別れて「正反対の道」を歩んでいくのです

 

 

 

 

街の空 誰もが今 願いを乗せて 

SUPER ROCKETは進む

厚い雲切り裂き TOP SPEEDで

暗い夜を抜けて 見えてきたのは楽園

 

彼らに「パノラマ」として見えている街に住んでいる人たちも、「SUPER ROCKET」に願いをかけている。市井の人たちの思いも背負って、 「キミ」と「ボク」は「SUPER ROCKET」に乗って進むわけです。

彼らは「正反対の道」に進んでいるわけなので、おそらくロケットも別々のものに乗って、別々の方向に突き進んでいるのでしょう。「厚い雲」という障害も切り裂くスピードで、おそらく彼らが目指す地点である「楽園」が見えてきた。

 

 

 

本題とはそれますが、ここでとってもウマいな!!と思うポイントがあります。

 

「街の人たちが願い事をする、夜空を切り裂いて進むもの」といえば普通、流れ星

 

そしてスパロケのオリジナルメンバーのセンターは、大西「流星」さん

 

「ボク」(の乗るロケット)と、それを歌うアイドル自身とのイメージを、その名前を使って重ね合わせるという、なんという高等テクニック…。楽曲制作に至る経緯はもちろん知りませんし想像の範疇を出ませんが、りゅちぇがセンターで歌うことによって、この曲にさらにレイヤーが1枚追加されるという、メタな仕組みが大好きです。

 

 

 

 

君と僕の胸に 想いが残るなら

強さに変えていけばいいよ

 

後悔、寂しさ、不安。離れ離れになった2人の胸に、いろいろな「想い」が去来するでしょう。でもそれは、自分の道を進むためのパワーに、「強さ」に、変えていけばいいんだよ…

君へのメッセージのようにも、不安な自分に言い聞かせているようにも読めます。

 

これは理屈っぽ過ぎる読み方かもしれませんが、これまでカタカナだった「キミ」「ボク」が、ここでは漢字表記の「君と僕」になっています

これまでの、星空を見上げて→霧の道中を一緒に進みパノラマの街を見て→それぞれの道をロケットに乗って進む、というストーリーは、あくまで例え話…というか、心象風景の描写で、その登場人物はある意味キャラクター化された「キミ」と「ボク」でした。

が、ここで表記が「君」と「僕」になることによって、この箇所だけは現実世界であり、自分たちの胸に残る「想い」は空想ではないリアルな痛みであることを示している、のではないでしょうか。

 

 

 

 

それぞれの場所にも 光は射す

 

今、君と僕は違う場所にいるけれども、どちらの場所にも光は射すよ、と。改めてここで2人が別々だということに言及されて、あたたかいけれど少しだけ切ない気持ちになります。

 

 

 

 

 

 

と、ここまでで1番がまるまる終わりました。

困難な道を迷いながら一緒に進んできた「キミ」と「ボク」が、ある地点で別れ、不安を抱えながらも、お互いへの想いを原動力にしてそれぞれの道を邁進する…というストーリー。

 

 

 

ここで一度、冒頭の歌詞に戻りたいと思います。

 

SUPER ROCKETにキミを(キミを)

乗せて進む彼方

 

最初に聞いた時には「ロケットに2人乗りしてるのね〜」と思っていたこの箇所。一連のストーリーを読み終えてからもう一度考えてみると、これ、ちょっと不思議なんですよ

と言うのも、「キミ」と「ボク」がロケットに乗って目的地を目指すのは2人が別れた後のタイミングなので、2人で一緒にロケットに乗るというシチュエーションは有り得ないはずなんです。

運命に選ばれなかった方のルート、パラレルワールドの2人の未来。2人の判断が違っていれば、有ったかもしれなかった世界…冒頭からそんな反実仮想*4ぶち込んでくる歌詞、あります!?!?最高すぎんか!?

 

 

 

☆「数字が落ちる空」って何だ?

 

 そして一番の難解箇所であるAメロに移りたいと思います。再掲します。

 

眠れない夜が化ける COUNT DOWN

数字が落ちる空

迷いが霧となり阻む"時"

(進んだ 幻の中)

 

 う〜ん、わからん。空が「COUNT DOWN」に化けるというのも謎だし、「数字が落ちる空」とは一体なんなのか。おそらく言えることは、歌詞全体のモチーフである「ロケット」の打ち上げシーンのカウントダウンから引っ張られるイメージなのではないかという…こういうやつ。

 

www.youtube.com

これは音声でのカウントダウンですが、映像によっては空に数字のカウントダウンが映っていたりするし、「数字が落ちる空」ですよね。

 

で、それがどういう心象風景なのか…ここから先はさらに私の勝手な解釈なので、人によって全然受け取り方は違うと思うんですけど!!人には人のスパロケ!!

 

 

先ほど流れ星のくだりでも書きましたが、「キミ」「ボク」は、自分たちの意思に加えて街の人の願いを背負って突き進んでいるわけです。進んで良いものかという迷いがあり、「幻の中」を手探りで進むような、道無き道。「世界のパノラマ」が見えるくらいの、他の人は来ないような高い場所。

 

 

 

 

……これって、アイドル業では?

 

 

 

という仮説を立ててからAメロの歌詞を読むと、「数字が落ちる空」の数字について、若干思い当たる節があります。YouTubeの再生回数、ISLAND TVの再生回数(オタクには見られないけれど)、ISLAND TV更新ツイッターのいいね数とRT数……。

もちろんそういう盛り上がりを否定する気はさらさらないし、私も頑張って動画回したり、ツイートを全部のアカウントでふぁぼったりしますが、もし本人たちもその数字が見られるようになっているのであれば、改めて、結構しんどい世界だよなあ、と。自分の仕事に対する評価や需要が、隣の人と簡単に比べられる形で、わかってしまうことになるわけで。

数字が求められるのは、アイドルに限らず、どの仕事もなのかもしれませんが。ソースが見つけられなかったので思い違いかもしれないんですが、嵐がデビューすることになった時に、マネージャーさんか光一くんから「キミたちのデビューに向けては億単位のお金が動いている」と言われて気が引き締まった、というエピソードをどこかで聞いたことがあります。この楽曲を歌うJrも、そういう世界の入り口に立っている。その暗示だとすると、再生回数やらで比べられ続け、デビューしても数字を出すことが求められ続ける=「数字が落ちる空」、の圧迫感、それでも手を取り合って進む「キミ」と「ボク」の覚悟が感じられます。

 

 

アイドル業のお話、と思って読むと、冒頭のパラレルワールドもまた、具体的な話のような気がしてきます。

康二くんと龍太くんが、ずっと関ジュだったかもしれない未来。

りゅちぇトリオと佐野くんが同じグループを組んでいたかもしれない未来。

川北くんがちび5にいたかもしれない未来。

そして、今は事務所を辞めてしまった辞めジュくんたちが、まだ隣で踊っていたかもしれない未来。

 

 

起こらなかったことに対して、こうだったらよかったのに…というのは無い物ねだりで、生産的ではありません。でも、そういう「想い」も「強さに変えていけばいいよ」。

違うグループになっても、目指す先がアイドルであっても・そうじゃなくなっても、「それぞれの場所にも 光は射す」のですから。

 

 

 

「太陽」とりゅちぇに関する一考察

 

何かに迷う時 空の先に太陽

感じてみればいい

どんな道 選んでも

雲を抜ければ 同じだろう

 

 いわゆる落ちサビの箇所。「キミ」と別々の道を行くことになった「ボク」には、本当にこの道を行っていいのか、そもそも道なんてないんじゃないのか、迷うことも出てくるでしょう。そんな時は「空の先に太陽 感じてみればいい」

ここの「太陽」は、2人のロケットそれぞれが目指す場所かもしれませんし、そもそもこの道を歩むきっかけとなった原動力のようなものかもしれません。

 

ちなみに私の解釈は後者寄りです。ちょうどこのパートの歌割りが流星くんなので、この「太陽」「小学生の流星くんがお姉ちゃんと一緒に行ったセクゾ1stコンで、初めて舞台の上の佐藤勝利さんを見たときのキラキラ」なのかな…と思いながら聞くと、泣けます。

家族や友人に勧められて入所して、入所後にどこかのタイミングでアイドルを生業にしようと腹をくくるタイプの子もいると思うんだけど、流星くんはそうではなくて、ある種「天啓を受けてアイドルを志した」タイプなんだなと思うので。

 

スパロケがすごくりゅちぇにぴったりの曲だなと思うのは、前述した流れ星のイメージもあるけど、この「太陽」に関する記述の存在がすごく大きい。

 

 

 

 

SUPER ROCKETは進む

厚い雲切り裂き TOP SPEEDで

暗い夜を抜けて 見えてきたのは楽園

君と僕の胸に 想いが残るなら

強さに変えていけばいいよ

それぞれの場所にも 光は射す

 

ラストです。歌詞は1番のサビと変わらないんだけど、繰り返し聞いていると、僕の気持ちがどんどん強くなってきているようにも聞こえる。

 

 

 

行こう 今

 

ここで完全に、自分の道を行く決意が固まったんだなと。

 

 

 

☆まとめ スパロケはきっと関ジュという老舗焼き鳥屋のタレになる

 

というわけで、私の個人的な解釈では、スパロケは

 

・一緒に歩んできた「キミ」「ボク」が別々の道を行く、別離を歌った曲

 

・「ボク」は、思い出や「キミ」への想いや、そもそもこの道を歩むきっかけとなった原動力(=太陽)に背中を押されながら、困難な道を歩みつづけることを決めた

 

・そしてそれは、数々の別離を受け入れながらアイドルを続けてくれている関ジュ自身の姿に重ね合わせることができる

 

というハイパー素晴らし曲でした。

 

 

個人的に印象深かったのは、まいジャニでスパロケ初披露のときはオリジナルメンバーのバックで踊り、SHOW TIMEスペシャルでは「スパロケは若手Jr内でも人気」「いつか踊りたい」と口々に語っていたリトかんが、綺麗にフラグを回収して、自分たちの曲として一列めでスパロケを歌った回のまいジャニでした。見終わった後、即、オリメンの後ろで踊るうら若きリトルちゃんたちの姿を再生して見比べちゃった。

 

きっとこのあと、リトかんの歌うスパロケに憧れを抱き、その後ろで踊っていたフレッシュJrたちが歌い継いでいくのかもしれません。

そしてそういうストーリーが重なれば重なるほど、スパロケの歌詞の魅力は輝いていく。継ぎ足し継ぎ足し使っている焼き鳥屋のタレみたいに、スパロケはどんどん美味しくなるのです。

 

 

とりあえず、有名ですがタレエピソードを一つ。流星くんはスパロケをオリジナルメンバーで披露することが決まったとき、「これからはこのメンバーとやっていくんやなみたいな決意ができてたんです」*5。でも直後、晶哉くん以外の4人がなにわ男子に選ばれて、チームスパロケは別れ別れになってしまう。どうやって声をかけたらいいかわからない時期もあったけれど、その後晶哉くんはAぇ!groupの一員となって、今は別々の道で、それぞれの仲間と前へ進んでいる…。

「それぞれの場所にも光は射す」じゃん!!!!って思わず大声出しちゃったもんね。

 

そんなチームスパロケが再会して撮った最高の写真がここから買えるので、皆さん是非↓↓↓

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「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢わんとぞ思う」崇徳院

 

 

 

スパロケは最高!!スパロケを円盤に残して欲しい!!スパロケを公式の動画に残して欲しい!!お願いします!!!

 

 

でもまだ無いので、とりあえず、イワツボコーダイさん作詞の名曲つながりでび〜ちゃんのコズメロを最後に置いておきます!!こっちも名曲だし。さらば脈略!!*6

 

www.youtube.com

 

ペ・ペ・ポ・プ・パ・ピ・プ・ピ〜!!!!!!!

 

 

 

 

おわり

 

 

*1:イワツボコーダイさんについてばっかり書いちゃいましたが、Kevin Chargeさんも神ジャニーズ楽曲をぼんぼこ作ってくれている方でした。イギリス出身。https://soundgraphics.net/creators/kevin-charge

*2:WESTV城ホの収録はNEXT STAGEの日だったのね。ネクステも好きですが…

*3:具体的には:はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ』、あさのあつこ『No.6』等。世代がバレる…ところで『都会のトム&ソーヤ』、この夏実写映画化されるの知ってた!?私は今知った

*4:古文で言うところの「せば〜まし」。オタクあるある一句「夢と知りせば覚めざらましを(もし夢と知っていたならば、覚めなかったのに…)」小野小町

*5:出典:Jr.維新 西の陣 #6大西流星「脱皮のとき」

*6:妹が中学の英語の自由英作文でバスケットボールの素晴らしい点をたくさん述べた後「So I like baseball.」って書いて脈略なさすぎて減点されたの思い出した